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幻のカカオ豆 『カカオ・クリオージョ』
2017/07/05
ベネズエラと聞いて最初に連想するのは“野球が強い“、“美人が多い“などではないでしょうか。
また、どんな産業があるのかと言われて思い出すのは石油だと思います。
ベネズエラは原油埋蔵量世界一で、主要産業は何といっても石油です。
とはいえ、石油産業の他にもベネズエラを代表する産業はあります。
その一つがカカオです。
世界的にカカオ豆は『ORDINARY CACAO』と『FINE / FLAVOR CACAO』に分かれています。
『ORDINARY CACAO』は主にアフリカで栽培されており、病害虫に強く、一本の木から多くのカカオの実が採れるので生産性が高いのがメリットです。
一方で、味や香りは一般的なレベルにとどまってしまいます。
『FINE / FLAVOR CACAO』は主に中南米地域で採れるカカオ豆で、病害虫に弱く、生産性は低いです。
一方で、希少価値が高く、独特の舌触りや香りがあり、高級菓子や有名パティシエに愛用されています。
ベネズエラはこの『FINE / FLAVOR CACAO』の産地として知られています。
世界で生産されるカカオ豆の95%は『ORDINARY CACAO』に属するカカオ豆といわれており、『FINE / FLAVOR CACAO』と評価されるカカオ豆はわずか5%にとどまります。
更にベネズエラは『FINE / FLAVOR CACAO』と言われるカカオの中でも最高クラスのカカオ豆の産地です。
カカオ豆は品種ではフォラステロ種、トリニタリオ種、クリオージョ種に分類されます。
先にご説明した『ORDINARY CACAO』はフォラステロ種を指します。
そして、トリニタリオ種とクリオージョ種が残り5%の『FINE / FLAVOR CACAO』に分類されます。
この3品種を希少価値で並べると、
フォラステロ種 < トリニタリオ種 < クリオージョ種となります。
ベネズエラは最も希少価値が高いクリオージョ種の主要産地。
主要産地といっても生産自体は多くないので、クリオージョ種は幻のカカオ豆とも言われています。
カカオ・クリオージョはベネズエラ人の誇りの一つと言っても過言ではありません。
<日本はベネズエラカカオの主要輸入国>
では日本はベネズエラのカカオを輸入しているのでしょうか。
ベネズエラがカカオ豆を輸出している国は下表の通りです。
実はベネズエラにとって日本はカカオ豆輸出国相手国、第一位なのです
また、日本にとってはベネズエラのカカオ豆輸入額はガーナに次いで第2位です。
検疫の関係もありベネズエラから日本に直接カカオ豆を輸出することは容易ではありません。
そこで一部のベネズエラのカカオ輸出者はオランダなど欧州を経由させて日本にカカオを輸出することもあるようです。
その意味ではベネズエラ産カカオ豆は統計で分かる日本の輸入額よりも多いということになります。
最近ではベネズエラ産カカオを使用したチョコレートがスーパーマーケットでも購入できます。
多少値段は高いかもしれませんが、最高峰のカカオ豆を使用したチョコレートを試してみるのはいかがでしょうか?