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ベネズエラ 17年の10大ニュース(4位~6位)

2017/12/30

第4位 「10月~12月 野党連合の分裂」

10月15日に実施された全国州知事選での大敗北をきっかけとして野党連合の結束に亀裂が生じた。

この亀裂は修復できないまま現在に至っている。

野党連合内部での足の引っ張り合いは野党支持者の失望を生んだ。

また、マドゥロ政権との対立姿勢を明確化する野党政党を支持する国民がいれば、マドゥロ政権との対話を支持する国民もいる。

野党連合の分裂は野党支持者の意見をバラバラにした。

現在、野党は国民に向かうべき方向性を示すことが出来ていない。

18年には大統領選が控えている。野党の分裂が今後どのように影響していくかが注視されている。

 

 

第5位 「10月 州知事選での与党圧勝」

野党が分裂した原因は10月15日に行われた州知事選。

選挙前の世論調査では全国23州のうち15~20州くらいは野党が勝利できるとの見通しが大勢を占めていたが、フタを開ければ野党が勝利できたのは5州のみ。

しかもスリア州知事については、野党系の当選者が制憲議会への知事就任の宣誓を拒否したことで当選権を放棄したとみなされ、再選の結果、与党候補がスリア州知事となった。

これにより全国23州中19州は与党系知事、4州は野党系知事になった。

 

一部の野党グループは選挙システムが与党に圧倒的に有利な仕組みであること、票操作が行われていることなどを非難し、12月の全国市長選への参加を放棄した。

一方で、市長の椅子を与党に明け渡すことを拒否する別の野党グループは市長選への参加を表明。

市長選への参加を巡る方向性の違いにより野党連合の亀裂は更に深まった。

市長選への不参加を決めた野党グループは、自身の方針を正当化するため選挙の信頼性を貶めた。

結果的に野党支持者の投票意欲を削ぐことになり、全国335市のうち308市は与党系候補が当選した。

 

 

 

第6位 「7~8月 制憲議会の発足」

反政府デモを受けて、マドゥロ政権は既存の憲法の枠組みでは国民の平和を維持できないとして、憲法改正議会(制憲議会)の発足を宣言し、制憲議会の議員を決めるための選挙が7月30日に行われた。

反政府デモの目的は、いつしか制憲議会選挙を止めることになっていたが、制憲議会選挙は実施され、8月に545名の議員(全員が与党派閥)から成る制憲議会が発足した。

 

制憲議会の存在は既存の憲法に明記されている。

憲法によると、制憲議会はすべての公権力の上に立つ存在で、制憲議会の決定にすべての公権力は従うことが明記されている。

この憲法条文を根拠に制憲議会は無敵の存在となり、国会の権限(立法権)を引き継ぐ決定を下し、法令を制定している。権限を奪われた野党多数の国会は一連の決定を強く非難している。

なお、制憲議会発足時に議会は最大で2年間継続すると宣言している。

2017年8月に発足したので、2019年7月までは制憲議会が存続する可能性が高い。

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